展開パターン: マルチファーム構成

コンテキスト

企業の規模が大きくなるにつれ、コンテンツの管理対象やファーム全体で適用される運用ルールの一元化が難しくなります。情報管理としてのポリシーは一元化できても、管理手段・プロセスは組織ごとに異なっていることがほとんどです。

これを引き起こす原因は、リージョンによる文化の違い、コングロマリット化による業務プロセスの違い、組織の統合など様々です。

たとえば、新しく買収した会社ですでに SharePoint が使われている場合、フォレストも SharePoint ファームも統合せずに信頼関係のみ設定したまま併用することをが合理的です。

また、事業の多角化、分社化により、管理の仕方や他システムとの統合の事情が異なり、既存のファームを分割するほうが望ましい場合もあります。

そして、ディザスタリカバリとして、リージョンを跨いだバックアップ ファームが必要となることもあります。

問題

 SharePoint のサービス停止時刻が、米国支社、日本支社、その他多くの支社ごとに異なります。また、コンテンツやサイトコレクションの管理者も支社ごとに発生するため、既定の言語やブランディングの志向が異なってきます。

管理画面の言語は、アクセスする管理者により変更する必要があります。サブ管理者の選定とその権限も、各リージョンごとに異なります。

フォース

サーバーの稼働や拡張は各リージョンで最適化する必要があり、ひとつのファームに統合できません。
情報管理ポリシーはグループ会社全体で一つであり、探索パスも一つです。

解決策

独立した SharePoint ファームを構成し、一つの共有サービスプロバイダで共有します。


共有サービスプロバイダを共有することで、ファームにまたがって下記が同じものを参照することになります。

・個人用サイト (Active Directory が異なっていてもかまいません)
・ドキュメントの検索結果 (全ファームにまたがったコンテンツの検索結果を返します)

また、ファームが分かれているため、下記はファームごとの管理になります。

・ファーム管理者
・サーバー / サービス停止時間
・LOB サーバー連携
・データベース サーバーのバージョン
・レポートサービス
・既定の UI 言語

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