SharePoint 専門家がやらかした誤発信

SharePoint から離れてしばらくたちますが、振り返ってみると、まだまだ未成熟な分野だったと思うことがあります。
利用者が Sier や専門家の食い物になっていると思うこともしばしばありました。

これまで私が参画したプロジェクトの中で、自称 SharePoint 導入実績 No1 の Sier や、自称 SharePoint 専門家が誤った情報を発信してしまった件 (未遂で止めた件、加担してしまった件両方含む) を取り上げてみました。
もはや導入側ではなく、立場が変わったので、どこかで正しく情報が修正されていることを望みつつ、ここで吐き出しておくことにします。

誤発信 ① SIer「インデックスサーバーは1台だけで、それ以上増やせませんよ」

⇒ 増やせます。
参考: 展開パターン: インデックスサーバーの増設
なお、私が増やせる事を指摘したところ、「できると言わない。新規スタイルの設計は、大きなリスクを伴う。要件定義で、お客を既存のスタイルに導くようにする」とのことでした。SIer の闇ですね。
「私」の客は Sier のほうなのでそれに従いまして、これはお蔵入りとなりました。

誤発信 ② SharePoint 専門家「Kerberos 認証で HTTP ヘッダからユーザー名取れますよ」

⇒ 取れません。
参考: TIPS: Kerberos 認証の場合、HTTP ヘッダからユーザー ID を取得することはできません
私は彼のトライを阻止してはいませんが、やってみたらどうせ引っかかった感じでしょう。

誤発信 ③ SharePoint 専門家「パーツから SharePoint Webサービスを参照したらダブルホップ問題が発生する」

⇒ 発生しません。
参考: TIPS: DataFormWeb パーツでサイトコレクションを跨いだ _vti_bin/Lists.asmx Web サービスを参照してもダブルホップ問題は発生しない
残念ながら分かってもらえませんでした。

誤発信④ SharePoint 専門家「コンテンツクエリの UI を変更すると他すべてのコンテンツクエリパーツに影響する」

⇒ 影響しません。個別に XSLT 定義ができます。
参考: TIPS: コンテンツ クエリ Web パーツを XSLT でカスタマイズする
本件は後に拡散してもらいました。

誤発信 ⑤ Microsoft 社コンサルタント「お知らせリストで別の列に既読記録を入れると別DBに持つより処理が軽くなります」

⇒ 余計に重くなります。
参考: SharePoint Architect の審美眼 - そのアプリケーション変じゃない? その1
本当にみんな信じるところでしたよ。

誤発信 ⑥ Sier「SharePoint のワークフローを動かすには .NET Framework 3.5 が必須です」

⇒ .NET Framework 3.0 で動きます。それは勘違いです。
参考 :TIPS: SharePoint 2007 のワークフロー機能は .NET Framework 3.0 で動作します
時期的に、その後客にどう説明したのか分かりません。

誤発信 ⑦ SharePoint 専門家「AJAX で非同期にすればピーク時の負荷軽減ができる」

⇒ 余計に負荷が上がります。
参考: SharePoint Architect の審美眼 - そのアプリケーション変じゃない? その2
阻止できず、そのままリリースされてしまいました。

番外編 ① Sier 社内 SNS「WSS と MOSS の違いって何でしょうね?聞かれたら説明できますか?」

⇒ プロジェクト真っただ中に、超やばい会話がされてました。理解してから客に勧めてくれ。

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